時制の一致とはなにか?

時制の一致とはなにかを一言で言うと、主節の動詞と文に組み込まれた節(従属節)の動詞の時制をそろえる事です。
いやいや、専門用語っぽい単語が出てくると分かりづらいですよね、説明の仕方を変えます。
1つの文の中に2つ動詞があるようなケースってあるじゃないですか。文の中に文が組み込まれたやつです。
その文のメインとなる動詞と、組み込まれた文(従属節)の動詞の時制をそろえる事が時制の一致です。

「彼は私に疲れていると言った」との意味の文ですが、主節である「He told me」の動詞「told」と従属節にあたる「that he was tired」の動詞「was」の時制をそろえる事が時制の一致です。

時制の一致という感覚が登場するのは主節の動詞が過去形や過去完了形の場合です。
以下のように主節の動詞が現在形の場合、従属節の動詞は表現したい事によって素直に時制を使分けることが出来ます

I know she is busy.(現在形)
私は彼女が忙しいことを知っている。

I know she was busy.(過去形)
私は彼女が忙しかったことを知っている。

I know she will be busy.(未来形)
私は彼女が忙しくなることを知っている。

それでは、上記の例で使われている動詞「know」を過去形の「knew」に変えたらどうなるでしょうか?
英語では主語が表現していることがいつなのかという視点や時間軸の考え方が大切になります。
その為、過去形である「knew」を使う事により視点は過去になりますので、それ以降に続く従属節の動詞も視点に合わせていつなのかを表現変更します。

I knew she was busy.
私は彼女が忙しいことを知っていた。
⇒「私が知った」のも「彼女が忙しかった」のも共に同じ時点でのことなので「is」は過去形の「was」を使います。

I knew she had been busy.
私は彼女が忙しかったことを知っている。
⇒「彼女が忙しかった」のは「私が知った」時より前のことなので、過去よりもより過去を表現する為に過去完了形を使います。

I knew she would be busy.
私は彼女が忙しくなることを知っている。
⇒「彼女が忙しくなる」のは過去の時点から見て未来のことになります。その為、willを過去形の助動詞wouldに変化させて使います。

時制の一致をしなくても良い場合(重要)

英語では時制の一致をしなくても良いケースがいくつかあります。
皆さん機械的に時制を一致させたいですよね。でも残念ながら違うのです。
英語は表現する内容に合う時制を使う事が大切であって、従属節の内容が現在でも成り立つ場合は現在形のままで良いのです。
この考え方を理解しないで英語学習を進めると将来何度も悩まされる経験をすることになるでしょう。
でもこれを読んでいるあなたは大丈夫、ここでその原則を知ることが出来ますから!!

She said that she loves me.
彼女は私を愛していると言った。
⇒この文からは「loves」と現在形を使う事で今も彼女が私を愛しているという事が分かる。「loves」を「loved」にしても文法的にはOKだが、そうすると今も愛しているのか分からなくなってしまいます。今は愛していない、今も愛しているのか分からない場合に使うのであれば「loved」で良いですよ。

My teacher said that he was born in 1960.
私の先生は1960年に生まれたと言った。
⇒「先生が言った」ことより「生まれた」時の方が過去になります。その為、文法的に考え機械的に時制の一致を行うと過去完了形を使いたくなりますよね。しかしこのように過去である事が明らかな事実である場合には過去形を使います。

I learned that the sun rises from the east.
私は太陽が東から昇る事を学びました。
⇒太陽が東から昇るという事実は時間に関係なく、常に変わる事のない事実です。このような場合も従属節の動詞は現在形でOKです。

She said that she will go to London.
She said that she would go to London.

彼女はロンドンに行くと言った。
⇒もし彼女が現在もまだロンドンに行っていないのであれば「will」を使います。しかし既にロンドンに行っている、もしくは行ったか明らかでない場合には「would」を使います。

いかがだったでしょうか?
時制の一致は英語の文法において特殊な考え方ではありません。
英語という言語がそもそもいつの事を表現しているのか、時間軸を意識する事が大切な言語なのです。
この感覚は英語を学習していく中で、英文を書いたり読んだりしながら少しずつ覚えていきましょう。

以上でこのページの説明は終わりになります。
少しでも読んでいただいた方の役に立てていれば嬉しいです。

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